. 最後のトレモロ (El Ultimo Tremolo)
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アグスティン・バリオス・マンゴレ(Agustin Barrios Mangore)が死を迎える過程で書き残した曲「最後のトレモロ (El Ultimo Tremolo)」です。
遺作だけに"Ultimo"は「至上の」ではなく「最後の」と訳され、意訳と思いますが「過ぎ去りしトレモロ」と言う邦題で呼ばれることもあります。
なんでもバリオスが晩年に、物乞いの老女のドアを叩く音とそのせりふをヒントに作曲したらしく、実際この曲の原題はそのまんま「Una Limosna por el amor de Dios」「神の愛にめんじてどうかお恵みを」だそうです。 
この時バリオスは既に死期を悟っていたらしく、複雑な心境の中で、老女の控えめなノックの音、その悲しげなリズム、「Una Limosna por el amor de Dios」と言う言葉の美しい響きなどに深い感動を覚えたのでしょう。
しかし、この曲のあまりにも切なく悲しいトレモロの旋律が、小生には悲しみにくれる女性のすすり泣きに聞こえてなりません。
小生はこの曲に、死を迎える心の内、過ぎ去りし日々への想い、人生の悲哀などを感じるのです。